債務整理の効果としては任意整理より個人再生の方が大きいのですが、その分だけ社会的なペナルティーが重くなってしまいます。

任意に選択した債権者と話し合って借金を減らしてもらう任意整理は、あくまで当事者同士の商取引であって、裁判所を通さないことから金融機関同士が共有している個人信用情報に記録される程度です。

任意整理によって借金を減額したことで、他の債務整理と同じくお金を借りにくくなってしまいますが、完全な多重債務に陥ってしまう前に自分から支払える範囲を示した姿勢は評価されます。

いっぽう、個人再生では5分の1までの減額や、債権者の意思とは無関係に大幅な減額ができる制度もあって便利ですが、裁判所に手続きをするので官報に掲載されてしまうデメリットがあるのです。

家族にバレるかという段階どころか、誰でも自由に読める官報に実名などが載ってしまうので、後々になって信用調査をされた場合に不利になってしまう恐れがあります。

もっとも、法律のプロに債務整理を依頼すれば、債権者からの取り立てはストップするので、家族の評判がただちに悪くなる可能性は低いです。

できれば話し合いによる円満解決である任意整理を選ぶべきで、5分の1まで減額してもらえる個人再生があるからいいやと安易に考えていると、自分の収入ではとうてい返しきれない多額の借金を背負ってしまい、自己破産しか道がなくなってしまう最悪の事態にすらなりかねません。

債務整理は最後に頼るべき方法であって、決して簡単に選べる選択肢ではないことを理解しておきましょう。

金融機関にしか知られない任意整理で済ませたとしても、その債務整理の記録が一定期間残り、他の金融機関も閲覧できる状態になってしまいます。

そのため、記録されている期間の借入が困難であるのはもちろんのこと、実際に債務整理で借金を減額してもらった金融機関からは二度と借りられない可能性が高いです。

個人信用情報を参照しているだけの金融機関については、債務整理の記録が抹消された後なら借りられる可能性がありますが、それでも低額の融資限度額にとどめられてしまいます。

一度失ってしまった信用はそう簡単に取り戻せないので、普段から支払いを確実に行いつつ、それでも返済が難しくなってきたら早急に法律のプロに相談して打開しなければいけません。

色々な債務整理の方法がありますが、できるだけきちんと払う方が再出発において有利になるのです。